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県農協青年組織協議会委員長に就任した 坂本裕之(さかもと・ひろゆき)さん

2023年6月5日
 ロシアのウクライナ侵攻により、重油、飼料の高騰が農家の経営を直撃するなど、農業を取り巻く環境が厳しい中、県内若手農家1381人のトップに立った。「生産物に価格転嫁ができず、農家の生産コストは増大し、所得は下がり続けている。この現状を国や県に訴えていく」と意気込む。

 新富町出身。西都商業高から福岡県の自動車整備の専門学校に進んだ。卒業後、県内の自動車販売会社へ就職。自動車整備士として働き、難関「1級整備士」の資格も取得するなど仕事に没頭していた。しかし、もっと子どもの成長に寄り添いたいとの気持ちが芽生え、退職を決意した。

 就農から1年で実家の経営を継承し、54アールのハウスでピーマンを栽培。3年前には合同会社ベジグロワーを設立した。ソバ、小麦などを栽培するほか、ドローン防除作業を受託するなど規模拡大も見据える。

 4月、先進7カ国首脳会議(G7サミット)宮崎農相会合が開催され、持続可能性と生産性向上の両立が議論された。元々、情報通信技術(ICT)を活用したスマート農業で省力化を図って生産を拡大。減化学肥料、減農薬にも取り組み、持続可能な農業を実践する。「効率性重視の会社で働いた経験が生きている」と笑みをこぼす。

 子や孫の世代まで100年続けられる農業の実現を目指しており、「『将来なりたい職業ランキング』で農業が上位になることが夢」と熱く語る。時間がなくてなかなか行けてはいないが、趣味はゴルフとスノーボード。新富町日置で妻麻季子さんと3人の子どもと暮らす。40歳。

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