県立看護大の4代目学長に就任した。本県の看護人材の育成拠点として「看護とは何かを考え、努力し続けられる人材を育てる。情熱を持って取り組みたい」と抱負を語る。
日南市出身。日南高卒業後、助産師と看護師の資格を取得。国立横浜病院母性センター看護師長、東海大医療技術短大講師などを歴任し、2003年に助教授として県立看護大に着任。以後約20年間勤務してきた。
ライフワークとしてきたのは、県内の小中学生や保護者などを対象にした性教育授業だ。20年間で延べ200校以上、ほとんどの自治体で講演。多くの命の誕生を見てきた経験から「子どもたちには性をいやらしいものではなく素晴らしいものと思ってほしい。そうすれば情報があふれる社会でちゃんと自己決定していける」。
学長就任のあいさつで掲げたのは「地元創成看護」の理念だ。看護で地域貢献することは変わらないが、県民が地元の課題解決に向けて主体的に行動する社会のビジョンを持つ人材育成を目指すというもの。県内での医療従事者確保が課題となる中、「形だけの地元就職ではなく、本県でやりがいを持って働けるよう、地元に関わることの面白さと重要さを学べる学校でありたい」と語る。
宮崎市下北方町で、学内で保護した18歳の猫と暮らす。趣味はガーデニングで、育てた作物で作った朝食を食べるのが至福のひととき。「草木を上手に育てるには、常に気を配りながら、でも手のかけすぎはよくない。教育に通じるものがある」とほほえむ。67歳。