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宮崎地方法務局長に就任した 山内 恵(やまうち・めぐみ)さん

2023年6月26日
 土地や建物の登記、戸籍や人権擁護といった国民の財産と権利を守る業務を担う法務局。「人生の節目に関わる仕事。県民に寄り添った法務局を目指す」。柔らかい口調の中に強い決意をにじませる。

 沖縄県出身。福岡県内の短大を卒業し、2年間教員などを務めた後、帰郷した。1987(昭和62)年に那覇地方法務局に配属され、以降、岐阜地方法務局次長などを歴任し、本県で初の局長ポストに就いた。

 人権擁護課長を務めた熊本地方法務局時代に熊本地震が発生。「母乳をあげる場所がほしい」「トイレが男女一緒」。避難所を訪問して被災者らの悩みに耳を傾け、関係機関と連携して解決につなげた。他県ではいじめや虐待を受ける児童・生徒や無戸籍の子どもを持つ母親を支援した経験も。「法務局の仕事は人の役に立つ」。業務を通じて身をもって感じた大きなやりがいを胸に、約36年間仕事にまい進してきた。

 来年4月に土地・建物の相続登記が義務化されるのを前に、本年度はその周知広報に注力する。「土地所有者が明らかだと災害復興や公共工事も円滑に進む」と力を込める。所有者不明の土地や無戸籍者の解消、インターネット上の中傷など人権相談への対応―。多くの重要な業務に対し職員一人一人が力を発揮できるよう、働きやすい職場づくりにも尽力していく考え。

 趣味は登山やフルマラソンなど体を動かすこと。「宮崎では景勝地や神話、歴史にまつわる場所を巡りたい」。沖縄に残る家族や孫に会う時間を楽しみにしている。宮崎市の官舎に暮らす。58歳。

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