ホーム ひと

県漁業協同組合連合会会長に就任した 是澤喜幸(これざわ・よしゆき)さん

2023年7月2日
 高齢化などによって組合員数は2000年から半減。ロシアのウクライナ侵攻による燃油、資材高など、水産業を取り巻く環境が非常に厳しい中、会長職を引き継いだ。「漁業者の所得向上につながるように力を尽くしていきたい」と力強く語る。

 日向市細島出身。日向学院中学、高校を経て、東京の大学に進学。卒業後、家業の定置網漁を継承すべく帰郷した。漁業は自然が相手の仕事。毎回、水揚げする魚が違い、どれだけ捕れるか数も分からないため、今でも漁場に向かう時には胸が躍る。過去には大漁6千匹のブリが網に入り、1日で水揚げできなかったこともあった。

 18年前、富島漁協組合長に就任。翌年には、日向漁協と合併した「日向市漁協」の組合長を務める。昨年6月、県内漁協を合併し、一つにする「県一漁協」の推進協議会が発足。議論が進む中での要職就任に、「運命的なものを感じている」と話す。

 地球温暖化の海水温上昇などにより、北海道でブリやシイラが水揚げされ、県内の定置網でも南方系の魚が交じる量が増えるなど海の中は変化している。「資源保護への重要性が高まっている。5、10年先を見据えて行動することが必要」と訴える。

 全国的にも漁師のなり手が少なく、将来を担う県内の若手には「誇りを持ち頑張ってもらいたい」とエール。「おごれるもの久しからず」を心に留めており、感謝の気持ちを常に持ち続ける。趣味は60歳で始めたサクソフォン。月3回音楽教室に通っているが、「人前で披露するにはまだまだ」と笑う。同市細島在住、67歳。

このほかの記事

過去の記事(月別)