「自分がこの立場に就き、仕事を果たすことで女性が警察官を志したり、後輩たちが昇任を目指したりするきっかけの一つになる」。今月13日に警務部長に着任。県警初の女性部長となったことに「無理して一人が突出しても、後が続かないのでは意味がない。できる範囲で、やれることをしっかりやりたい」と、気負わず課された責任を全うする覚悟を示す。
東京都出身でお茶の水女子大外国文学科卒。警察庁の国家公務員2種試験での女性採用1期生となる。社会がバブル景気に沸き、友人の多くが商社などの民間企業を選ぶ中、「長く仕事がしたい」と警察の道に進んだ。埼玉県警外事課長や警察庁公安課理事官を歴任した。
警備畑での勤務経験が長く、特に極左対策に尽力。前任の千葉県警警備部長として2月、成田空港の誘導路脇の農地に空港反対派が設置したやぐらなどの撤去の強制執行に関連した警備を指揮し、「象徴的な事案で印象深かった」と話す。
人材育成や広報、監察など幅広い業務で捜査などの警察業務の基盤を支える警務部門のトップに立つ。「やったことのない仕事だからこそ、外からの視点を期待されている。初心を大事にし、採用など人的基盤の強化に務める」と意気込む。
宮崎は家族旅行で訪れて以来。着任後、口にした郷土料理「冷や汁」に「すごく手間暇かかっているな」と感心する。3人の子どもたちは既に成人。宮崎市の官舎に単身赴任で、これまで家事・育児に追われていた休日の過ごし方も模索中だ。55歳。