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第42回小村寿太郎侯顕彰弁論大会で最優秀賞に選ばれた 三澤凜(みさわ・りん)さん

2023年8月29日
 「被爆者の話を次世代につなぐのも風化させるのも私たち次第。一人でも多くの人に思いをつなぎたい」。国連や国際問題についての意見を発表する小村寿太郎侯顕彰弁論大会で、最優秀賞に輝いた。唯一の被爆国である日本だからこそ「世界各国に核兵器を使うことへの『迷い』を抱かせる使命がある」と強く訴えた。

 小学校卒業まで広島市で過ごした。毎年夏になると被爆者の体験を聞いたり、原爆資料館の見学に行ったりするなど、平和学習は常に身近にあった。同市に住む祖母も1歳の時に被爆しており、「広島原爆の日」の8月6日は自分にとっても大事な日。しかし、中学生で本県に転入してからは県民の戦争や平和への認識のギャップに驚いた。「戦争を教科書に載っているような、単なる歴史の一部としか思っていない」

 死と隣り合わせの戦争の恐怖を「終わりのないかくれんぼ」と表現。「遊びとしてかくれんぼを楽しめる自分が、いかに平和に暮らしているかを実感した」。10月に都内で開かれる「国際理解・国際協力のための高校生の主張コンクール中央大会」に本県代表として出場する。「発表を聞いてくれる人に、戦争を人ごとではなく、今この瞬間も起こりうることと認識してもらいたい」と思いを込める。

 将来の夢は国連職員。世界中を回り、平和や安全に関わる仕事に就きたいと考えている。宮崎大宮高普通科2年生で、ソフトボール部所属。5校でつくる合同チームでキャプテンを務めており、他校の生徒との交流を楽しんでいる。16歳。

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