「まさか自分が優勝するとは」と驚きを隠せない。本県トップアマが競う「宮日旗」に、5度目の挑戦で初の栄冠を手にした。これまで最高は9位。28歳の新王者は「苦手意識のあるコースで耐えられた。ホッとしている」と喜びに浸った。
宮崎市出身。祖父の影響で10歳からクラブを握り、日章学園中ゴルフ部に入り本格的に競技を始めた。全国中学選手権団体3位を経験し、日章学園高2年時に九州新人大会で個人と団体の2冠を獲得。プロになった同級生がいるなどレベルの高い選手が集まる環境に刺激を受け、技術を磨いていった。
長崎国際大に進学しプロを目指したものの、思うように成績が伸びず断念。趣味として地元でゴルフを存分に楽しもうと帰郷した。JA関係の会社に勤め、米の仕入れなどを担当。繁忙期以外は家族や会社の先輩らとコースを回り、「ゴルフを通じ、さまざまな年代とのつながりが広がった。それを大切にしている」。
礼儀作法をたたき込まれたジュニア時代の経験が今も生きているといい、「感謝の心を忘れず、悔いの残らないよう楽しむ」が信条。地域の先輩から苦手なアプローチの助言を受けたり、パターの打ち方を変えたりするなど常に研究を怠らない。「チャンピオンとして、大打ちして恥ずかしいスコアにならないよう頑張りたい」と気を引き締める。
優勝後、多くのお祝いの電話やコメントが届き、「たくさんの人が気にかけてくれていたと気付かされた」とほほ笑む。宮崎市花ケ島で両親、妹と4人暮らし。