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県警本部長に就任した 平居秀一(ひらい・しゅういち)さん

2023年10月1日
 東京大法学部に在学中、阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件が発生した。被災地で救助に当たる機動隊やオウム真理教の関連施設を家宅捜索する捜査員―。法曹三者を志して司法試験にも合格していたが、最前線で活躍する警察官の姿を目にするうち、考えが変わった。「警察の方がより国民に近い立場で、安全安心を守る仕事ができるのではないか」。

 卒業後の1996年、警察庁に入庁し、同庁生活安全局生活経済対策管理官などを歴任。2008年の秋葉原無差別殺傷事件を受け、ダガーナイフの所持規制をするための銃刀法改正では中心的な役割を担った。

 本県勤務は初めて。着任会見で「県民の安全安心を確保し、期待と信頼に応えるため、組織の総力を挙げて取り組む」と県警トップとしての抱負を力強く述べた。特に注力する分野の一例として、県内で年間1億円超の被害が出ている特殊詐欺対策を挙げ「犯人の検挙だけでなく、被害防止対策を一層推進するなどあらゆる手だてを講じる」と強調した。

 「一人一人がやりがいを感じ、使命感を持って実力を遺憾なく発揮する」ため、そして「県警が将来に渡って優秀な人材の就職先として選ばれ続ける組織となる」ため、職員に「仕事にしっかり取り組む一方、ワークライフバランスも大切にしてほしい」と求める。

 趣味は愛車を運転し、景色や郷土料理を楽しむこと。「県内をすみずみまで回り、宮崎でしかできない経験をしたい」と目を細める。三重県出身。都内に妻と娘2人を残し、宮崎市の官舎に暮らす。53歳。

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