約3万4600人で組織する、県内最大の労働者団体のかじ取り役を担う。「人と人のつながりを大事にする原点に立ち戻る。すぐに成果はでないかもしれないが、一歩一歩やっていきたい」と着実な前進へ意欲を示す。
真っ先に課題として挙げるのが、組織力の強化。組合員の減少が続き、多くの組合が厳しい環境に立たされる中、コロナ禍で組織離れが加速した。立て直しに向け、「積極的な発信と行動」を指針に掲げる。
物価高が急速に進み、中心的な役割が期待される経済闘争の重要性は高まる一方だ。連合では来春5%以上の賃上げを構想に掲げており、「組合員の声が力となり、環境が変わっていく―。それを若い人に実感できるようにし、存在感を発揮していきたい」
延岡高を卒業後、1983(昭和58)年に延岡市役所入り。97年から6年半務めた市職員労組書記長は職員唯一の組合専従職。企画と運営に注力し、大所帯を動かす醍醐味を感じた。
連合宮崎県北地域協議会では議長も経験。旧総評系、旧同盟系と異なるカルチャーを持つ組合をまとめる難しさに直面しつつ、「共に高め合う過程で多くの人と絆を強め、今につながっている。中身のある勉強をさせてもらった」と振り返る。
次男の大貴さん=日向高出=は、ラグビーリーグワン・三重本田ヒート(1部)で活躍する現役選手。ラグビー観戦が休みの気晴らしで、「全員が協力して少しずつ前に進め、形にする点で組合活動に似ている」。単身で宮崎市在住。60歳。