宮崎市中心部で毎年春に開催される「みやざき国際ストリート音楽祭」に連続して出演。本県と台湾を音楽で結び付けてきた功績が認められ、7回目となった4月の同音楽祭出演の際、県から「みやざき大使」を委嘱された。「これまで育んできた友情が認められて光栄だ」と晴れやかに笑う。
国立台湾交響楽団の元首席トランペット奏者で、アジアを中心に活躍する台湾でも著名な演奏家。現在は国立台湾師範大の教授として後進の育成に力を入れるかたわら、20年にわたり本県と台湾の小中高校生らが互いに行き来する交流演奏会の継続にも情熱を注ぐ。
本県との縁の始まりは2001年。県外で開かれた吹奏楽の指導者講習会に招かれて演奏すると、当時の県警音楽隊楽長で同じトランペット奏者の井手茂貴さん(74)から声をかけられた。井手さんとはフランス留学という共通点で話が盛り上がり、その翌年には本県での客演が実現した。「音楽家として尊敬する井手さんと出会わなければ、宮崎を知ることはなかっただろう」と振り返る。
「音楽は世界共通の言葉」をモットーに、台湾から本県へ連れてきた若者らは優に千人を超える。交流を続けるのは、自分と井手さんのような友情を後進にも育んでほしいからだ。「演奏をすれば互いの良い面を学び合える。相手を知りたいという美しい思いを大事にしてほしい」
台北市在住。来県のもう一つの楽しみは「焼酎」。好きな銘柄名をクラシックのメロディーに乗せた替え歌がおはこの65歳。