中国での在青島総領事の任を終え、今年9月に帰国。12月2日に在モンゴル特命全権大使として赴任する。
モンゴルは1990年代に民主化・市場経済化を達成。日本は一貫して改革努力を支援し、高い親日感情とパートナーとしての信頼関係を確立している。本県関係では都城市が首都・ウランバートル市と友好交流都市となっている。「政府、国民間の友好関係を増進させる。来年は日本モンゴル文化交流取極が結ばれて50周年。文化と教育、青少年の交流をさらに進めたい」と意気込む。
えびの市原田出身。飯野中、小林高を経て九州大へ。体育会山岳部で国内の険峻(けんしゅん)な山を踏破。さまざまな本を読み4年生で「外交の安定と周辺地域の平和なくして日本や世界の国家、国民の安寧はない」と外交官を志した。
入省3年目の87年に在中国大使館に勤務。89年には天安門事件が起こり、現場に何度も足を運びながら留学生ら邦人保護に当たった。無償資金協力課では学生時代から関心のあった途上国支援で政府開発援助(ODA)も担当。アフリカや南米で現地住民の声を聞き、大臣との意見交換に臨んだ。
40年間の在職中、半分以上を海外で過ごした経験から「外交とは人なり」が信条。「自身を高めなければ相手国の信頼を得ることや国際情勢を見極めることはできない」と自らを律する。
モンゴルの自然を愛し「宮崎の青少年との文化交流も積極的に進めていければ」と夢を語る。子ども2人は独立し、妻と赴任する。63歳。