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新田原基地第5航空団司令兼基地司令に就任した 尾崎義典(おざき・よしのり)さん

2014年8月13日
 新富町の航空自衛隊新田原基地司令に5日付で着任した。航空機を運用する上で、騒音による地域への負担は避けられない。隊員には「基地周辺の皆さんに支えてもらい活動できる。先輩が築いた良好な関係を財産とし、地域にさまざまな形で関わってもらいたい」とコミュニケーションの重要性を訴える。

 昨年11月に中国が東シナ海上空に防空識別圏を設定するなど状況が変化し、日本の南西方面では緊張は高まる。領空侵犯の恐れがある航空機への緊急発進(スクランブル)を担う同基地。「新田原は、那覇基地に次いで南にある。地理的な重要性が増し、大きな重責を感じる。最悪の事態に備え、準備を怠ってはならない」との認識から、指導方針には「鍛え、備えよ」を掲げた。

 米国で6年以上勤務し、米軍との協力関係構築に力を注いだ。印象に残るのは、防衛駐在官として渡米した2011年までの3年間。東日本大震災発生時に米軍の被災地救援活動「トモダチ作戦」の調整に尽力。「作戦が円滑に進むよう努めた。日米同盟の背骨を支えられた」と胸を張る。

 防衛大32期。父は新田原でも運用するF4戦闘機の臨時飛行隊長を務めた故義弘さん(享年40)で、親子2代のF4パイロット。高鍋町生まれだが「1歳で引っ越し、出身と言うにはおこがましい」と相好を崩す。妻(44)と長女(17)を埼玉県草加市の自宅に残し、官舎で単身赴任。余暇は、新田原の飛行群司令時代に覚えたゴルフを楽しむ予定。48歳。空将補。(新富支局・永田聰志)

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