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宮日ジュニアソフトボールAクラスで初優勝した「高松」の監督 黒木健広(くろき・たけひろ)さん

2023年12月13日
 「さあ行け!」「ここから、ここから!」。宮日ジュニアソフトボール大会Aクラス(学年制限なし)決勝、誰よりも野太い声が響き渡る。「うるさいと言われようが、子どもの背中を押してあげるのが役目」。競技人生の原点であるチームを頂点に導き、「やってきたことに間違いはなかった」と屈託のない笑顔を見せる。

 日向市出身で、小学2年でソフトボールを始めた。その後は野球に励み、高鍋高では俊足の中堅手。日本文理大(大分)では1年からスタメン入りし、3年の全日本大学選手権で初優勝に貢献した。夢のプロ入りはかなわなかったが、卒業後は門川町・田中病院で看護師の傍ら、軟式野球で国体に5度出場した。

 監督就任5年目。当初は半世紀近くの歴史と実績のあるチームを預かり、初の指導経験でもあることから重圧もあった。夢中で白球を追った幼少期の記憶は今も鮮明に残り、その感覚のまま情熱を持って走り続けてきた。

 自身のカラーを出そうと、ベースランやスライディングなど走力向上に注力し、今大会でも成果を発揮。「気の緩みはプレーに出る」と道具の扱いやグラウンド整備、返事や整理整頓にも厳しい。叱る際は理由を必ず説明した。

 日向市美々津で妻、2男2女と暮らす。エースの次男琉豊(りゅうと)君(12)と共に、現チームまでで卒団予定。来春からは中学野球で汗を流す息子2人の試合が楽しみだ。学校の授業参観にも積極的に顔を出し「練習中では分からない、団員の日常の姿を見るのが面白い」と愛情にあふれる41歳。

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