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宮崎県初の近海カツオ一本釣り漁獲高日本一となった竜喜丸の船頭 日高陽祐(ひだか・ようすけ)さん

2023年12月31日
 船頭を務める竜喜丸が近海カツオ一本釣り漁業の漁獲高で日本一となったことが発表され、約1カ月。「今でも見知らぬ人からおめでとうと声をかけられる」と反響の大きさに驚く。

 日南市南郷町で生まれ育ち、中学卒業後に宮崎市の日章学園高へ。サッカー部に入り、同部が全国高校サッカー選手権に初出場した際には鹿児島実業高の主力だった元日本代表・遠藤保仁選手とマッチアップした。

 高校卒業後、好きなだけサッカーに打ち込ませてくれた父・義康さん(69)、母・美喜子さん(68)に恩返しするため、家業のカツオ漁に従事することを決意。19歳で父が営む竜喜丸に乗り込み、33才の頃に漁獲作業の指揮を担う船頭となった。

 サッカーでは達成できなかった日本一が現実味を帯びてきたのは2000年。船を更新したことでより速度が出せるようになり、出漁の回数を増やすなどして粘りの漁業を展開。21年に全国3位、22年に2位となり、今年になってついに悲願を果たした。

 「去年、おととしとも終盤になって高知の船に抜かれたので、うれしさよりほっとした気持ちの方が強かった」と振り返り、「サッカーで培ったハングリー精神とチームワークが好結果につながった」と分析。「支えてくれた両親と船員たちのおかげ」と感謝した上で「他の船と切磋琢磨(せっさたくま)しながら、県内の漁業をさらに盛り上げたい」と先を見据える。

 趣味はサッカー観戦。今季の選手権は初戦で敗れたが、母校の躍進を心から願っている。同市南郷町在住、44歳。

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