警察官として勤務してきた約37年間のうち、現職の刑事企画課警部補を含め約22年間を刑事部門で過ごした。事件解決に向けた地道な努力と卓越した手腕が認められ、本県でただ一人、2024年の警察功労章を受章した。「支えてくれた先輩や同僚、家族の理解があったからここまでやってこられた」と開口一番、感謝を口にした。
熊本県内の高校を卒業後、1987年に県警入り。97年に小林署刑事課に配属されて以降、宮崎北、日向、日南署などで刑事として現場を踏む日々が続いた。
事件を解決へと導く中で数多くの取り調べを経験。約10年前には捜査1課の特捜係長として連続放火犯の取り調べを担当し、半年間にわたり心を通わせる努力もしながら、必要な供述を聞き出すことができた。「高圧的に接しても見透かされる。等身大で接して、相手の良心をいかに引き出すかが重要」と穏やかな口調で語る。
常に被害者に寄り添うことを心にとどめてきた。約5年前、日向署で当直勤務をしていたときのこと。夜中に小学生の兄弟がいる一般家庭へ泥棒が侵入する窃盗事件が発生。事件以降は子どもたちを不安にさせまいと被害者宅周辺のパトロールを続け、後日、「いつもありがとう」という手紙が手元に届いた。「信条を曲げずに使命感を持ち続けたいと思える宝物になった」
休日は妻と県内の温泉を巡ることが楽しみ。「子育てなどで苦労をかけた分、遅めの家族サービスに励んでます」と苦笑いする。宮崎市で妻と高校生の末っ子と3人暮らし。55歳。