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県花き共進会で農林水産大臣賞を受賞した日南市ほおずき生産組合長 野崎智光(のざき・ともみつ)さん

2024年3月28日
 ホオズキの新しい定植技術を築き、スイートピーの後作として同じハウスで生産することを可能にした。日南市を県内一の産地に成長させ、農家の所得向上、従業員の通年雇用など新しい経営モデルを確立した。

 「思ってもいなかった賞でびっくり。支えてくださった周りの方々のおかげで、組合員みんな喜んでいる」。昨年1月の第65回宮崎日日新聞農業技術賞に続く2年連続の朗報に、謙遜しながらも柔和な笑みを浮かべる。

 同市油津出身。家は非農家だが農業に興味があり、高鍋農業高、宮崎大で畜産を学んだ。畜産関連の職に就いたが「動物が好きなのに」と矛盾を感じ、1992年に施設園芸に転向。スイートピーを主に始めた。

 ホオズキに取り組んだきっかけは、2011年の東日本大震災。3月の卒業式など一番の書き入れ時に広がった自粛ムードがスイートピーを直撃。流通も混乱し相場が暴落した。「この先どう生活していけばいいかと案じていた時、先輩から『どんな物でもいいから植えておくといい』」と助言をもらった。

 翌年から挑戦。未知の作物に「最初の4、5年はうまくいかなかった」というが、県北山間部での研修会に参加するなど試行錯誤を重ね、組合全体で規模を拡大させていった。「まだまだ伸びしろがあり、さらなる品質向上に努めたい。ホオズキは作っていて本当に楽しい」と目を輝かせる。

 趣味は地区に伝わる「作神楽」。同市風田に母、妻、次女と4人暮らし。60歳。

※「崎」は「たつさき」

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