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西臼杵医療センター長に就任した 寺尾公成(てらお・きみなり)さん

2024年4月13日
 西臼杵郡の3公立病院が経営統合して誕生した「西臼杵医療センター」のセンター長に就任した。前県立延岡病院長。西臼杵3町長から地域医療に精通した人材の相談を受けた県が白羽の矢を立てた。

 院長時代はドクターカーを導入し、ハイブリッド手術室を開設するなど県北の救急、高度医療の充実に注力。やりきった思いはあるが、高度医療を提供する3次医療機関の立場から1次側の医療態勢を一方的に見ることに違和感があった。「地域医療から見た高次医療機関との連携に興味が出てきた」という。そんな中、舞い込んだセンター長就任の打診。「都会も田舎も命の価値は一緒。一人でも多くの命を救う手伝いがしたい」と、豊富な人脈を生かし、へき地医療の「進化」に挑戦する。

 門川町出身。開業医だった父の後ろ姿を見て、父と同じ産婦人科医の道へ。熊本大医学部卒業後、1989年に県立延岡病院に赴任し35年間勤務した。

 チーム医療を大切にしてきた。「自立したプロフェッショナルが集まり、同じベクトルを向いて有機的に動けば本当のチームができる」と指摘する。3病院は入院機能を再編。役割分担を明確化し、持続可能な医療提供体制を構築するのが目的だ。「西臼杵で一つのチームを目指す」と熱く語る。

 高千穂町内で単身赴任。熊本市で暮らす妻は、今は一線を退いたが医師。子ども4人のうち3人も医学の道へ。三男が高千穂の病院に応援に来ていたことを「最近知った」と快活に笑う。バレーボールやスキーを愛する66歳。

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