九州保健福祉大から「九州医療科学大」(延岡市)へ大学名を変更した1日、学長に就任した。「医療は医師だけが行うのでなく、(臨床検査技師、臨床工学技士などといった)医療系専門職とチームを組んで行うウエートが大きくなる。その育成に関われるのが楽しみ」と抱負を語る。
産婦人科医で専門は周産期医学。1991年に宮崎医科大(現宮崎大医学部)教授となり、宮崎大医学部長、同学部付属病院長などを経て同大学学長を2015年から6年間務めるなど医師養成に力を注いできた。医療系専門職育成の思いの背景には医療界の働き方改革がある。「医師の養成、偏在の是正も重要だが、医療系専門職の質を上げながら世の中に送り出すことで改革を進めることに貢献したい」と強調する。
中でも期待を寄せるのが社会福祉学部スポーツ健康福祉学科に4月に開設された救急救命コース。救急車だけでなく、ドクターヘリ、ドクターカーの運用でも医師や看護師と共に現場に駆け付け治療をサポートするなど、救急救命士の役割の重要性を認識している。その人員はまだ足りていなく、ニーズは高いとして「育成プログラムを地域の医療機関と築きたい。県北で育つことは一つの光となる」と力を込める。
昨年7月からは宮崎、鹿児島のロータリークラブを束ねる国際ロータリー第2730地区ガバナーも務める。リフレッシュ法はウオーキングで、出張先などでは歴史的な石碑や風景などの写真を撮りながら楽しむ。宮崎市で妻、愛犬2匹と暮らす。78歳。