南西防衛の中核である西部方面隊第8師団の第一線、第43普通科連隊。南海トラフ巨大地震が発生すればいち早く対応する部隊となる。重責に「いついかなる任務にも対応できるよう求められる」と気を引き締める。
約千人の駐屯地トップに立ち、「独り善がりになってはいけない」と戒める。就任早々に隊員一人一人の勇ましい表情を巡閲し、共に伝統と歴史ある都城駐屯地を運営する決意を新たにした。
自衛官を目指したのは高校時代。出身地の札幌市に駐屯地があり、漠然と国防の重要性を感じて防衛大に進学した。そこで教育を受け仲間や諸外国の士官候補生と語り合うことで国防の思いが確固たるものになり、進む道が定まった。
初任地は青森駐屯地。近年は前任地の統合幕僚監部や陸上幕僚監部など、自衛隊中枢の東京・市ケ谷駐屯地勤務が多かった。
だが部隊歴で特に思いが深いのは2013年から所属した相浦駐屯地(長崎県)の西部方面普通科連隊時代だ。現在の水陸機動団の前身で、離島防衛を担う専門部隊。中隊長として100人強の部下を率いた。「山を登り、装備を付けて泳ぐなど過酷な訓練を達成することで連帯感を培った」と振り返る。
当時の経験も生かして部下には「ありがとう。ごくろうさま」の声かけを意識。常に感謝の気持ちを持つ。
千葉県に妻郁恵さん(42)、高校生の長男、小学生の長女を残し、官舎で初の宮崎生活。趣味の映画鑑賞は戦争アクションが多め。酒も好きで「焼酎も大丈夫」。1等陸佐。45歳。