元県庁マン。35年在籍したうち、県税、商工畑に20年間身を置き、地域の事業所、経営者に寄り添い、支える仕事にやりがいを感じてきた。県よろず支援拠点に入ったのも「退職後も力になりたい」と強く願ったから。2016年に59歳で中小企業診断士の国家試験に合格。延岡県税事務所長で定年となった翌17年春、よろずのコーディネーターに転身し、2年後に扇の要であるチーフコーディネーターに就いた。
あらゆる経営課題の解決に当たる県よろず支援拠点は6月で開設10周年を迎えた。経営改善、創業、融資・補助金活用を専門領域とする自身をはじめ、コーディネーターは多様な分野に通じた22人。「誰もが事業者ファーストで、内発的にセミナーなどを企画。固いチームワークと個々の高いモチベーションが生きるマネジメントを心がけてきた」
この10年で県内事業所の10社に1社がよろずを利用したというデータはあるが「宮崎は県土が広く、浸透度はまだまだ」と言う。「地域の商工会議所・商工会と連携を深めながら、県内津々浦々の経営者に頼りにされ、行列ができる高度な専門機関にしていきたい」と見据える。
延岡市出身。ビジネス新刊などの要約、感想を毎週金曜日夜に千字程度にまとめ、書評メルマガ「毎日スキルアップ通信」として1万2千人に向けて配信。こちらも5月で20周年の節目に到達した。長く続く理由を「読書、ビジネス書が大好き。唯一の趣味」と即答。妻美奈子さん(65)は県代表監査委員。宮崎市。67歳。