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国土交通省宮崎河川国道事務所長に就いた 大嶋一範(おおしま・かずのり)さん

2024年6月30日
 大淀川や小丸川、国道10号、東九州自動車道など、管轄する本県南西部は守備範囲が広い。台風や豪雨などの災害対策、南海トラフ地震の対応、高速道路のミッシングリンク解消―。こうした課題とどう向き合うか。

 「ハード整備は進むが、その機能を生かすにはハードとソフト、住民と行政がかみ合ってこそ。地域一体で課題の解決を目指したい」。4月の着任から管内をくまなく回り、住民や自治体関係者とのコミュニケーションに時間を割いている。

 北海道苫小牧市出身の41歳。国土全体をデザインすることを夢見て、北海道大工学部で土木を専攻、2006年に国土交通省入りした。ゼネコンや設計コンサルタントではなく国交省を選んだのも、スケールの大きさに魅力を感じたから。「道路がつながれば喜んでもらえる。頑張った跡がずっと地図に残っていくのは、この仕事でしか経験できない」

 都市局時代にデジタル技術で社会全般の利便性を向上させるスマートシティの実現を探った。前職の内閣府地方分権改革推進室でもデジタル関連を担当。こうした経験から地方の衰退に対する捉え方は厳しく「人口減少、労働力不足を甘く見ている」。「アナログからの転換は今後欠かせない。デジタル化の遅れは致命傷になる」と危機感をあらわにする。

 公私ともに初めての宮崎暮らし。「ボーッとしている時間がもったいない」とランニングや水泳は、ほぼ毎日こなす。トレイルランニングは全国各地の大会に出場するほどで、西米良村やえびの市での挑戦を視野に入れている。

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