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県嘱託警察犬競技会で優勝した元県職員の指導士 兼田正之(かねだ・まさゆき)さん

2024年7月2日
 県嘱託警察犬競技会の、臭気をたどって対象人物を見つける「地域捜索の部」。7歳のジャーマンシェパード・ジーク号とともに初優勝を果たした。「賢いやつなんですよ」。信頼と愛情に満ちたまなざしを相棒に向ける。

 宮崎市出身。北海道大で水産学を修め、県職員の技術職として定年まで務めた。県立高等水産研修所長や県水産試験場長など水産行政の要職を担い、後に宮崎キャビアのブランド確立につながるチョウザメの民間への飼育技術移転にも奔走した。

 在職中の50歳の時、規律正しい大型犬への憧れからドーベルマンを飼い始めた。預けていた訓練所の勧めで、警察犬の訓練資格を受けると見事合格。「少しでも役に立てれば」との思いから、これまで3頭を嘱託警察犬に登録してきた。

 活動エリアの宮崎北署管内は多くを市街地や宅地が占める。「警察犬は実践で役立ってこそ」との信念から、訓練は現場力を高めるためJR宮崎駅周辺など街中を中心に実施。誘惑に駆られやすい環境下でも、捜査に集中できるよう巧みに導く。

 新しい知見の吸収にも貪欲だ。英字の専門書を電子書籍で購入すると、自ら翻訳し、そこで得たノウハウを訓練に反映。競技会優勝は研究者然とした努力のたまものでもある。

 綾町に5年がかりで自作したログハウスの手入れが息抜きの時間。「(ログハウスは)犬にとってはリフレッシュの場。人間と一緒でオンオフの切り替えが大事」。宮崎市下北方町の自宅に妻、愛犬クイント、ジークの2頭と暮らす。67歳。

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