「自信を持って自分のスタイルを貫いた。結果が付いてきてうれしい」。今月福岡市で開かれた九州管区内警察剣道大会で全7試合に出場し、全勝。本県男子3連覇が懸かった重圧をはねのけ、静かに喜びをかみしめた。
都城市出身。指導者だった父和徳さんの影響で3歳から竹刀を握った。中学で親元を離れ熊本の強豪校へ進むと、団体で全国優勝。福岡第一高ではインターハイ準優勝と国体優勝も経験した。ハイレベルな環境に飛び込み「強くなれるかは自分次第。理想を目指し、自分の考えをはっきり持つようになった」
剣道で行けるところまで挑戦したい、と子ども時代に憧れた警察の道に進み、機動隊に所属。災害時の救助訓練などは忍耐力を必要とするが、競技で培った体力や精神力、柔軟な考えが生きている。
今大会は流れを左右する重要局面での出番が多かったが、相手の勢いを利用する得意の「応じ技」がさえ渡った。10月には全国大会が控える。高校以来の日本一に向け、業務の合間を縫ってほとんど毎日稽古に汗を流す。
高校3年時に和徳さんが55歳の若さで急逝。試合で結果を残す度に言われ続けた「仲間がいるから剣道ができるんだ」「周囲への感謝を忘れないように」という教えは、今も胸に刻まれている。
宮崎市在住の30歳。大学の剣道部で同級生だった妻裕紀恵さんとの間に2歳と0歳の女の子が2人。「家事や育児はできる時だけ」と控えめだが、休日は家族で出かけるのが息抜きだ。「かっこいい姿を見せ、自慢できる父親になりたい」と?が緩む。