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医師として警察業務に貢献し九州管区警察局長感謝状を受けた 野村朝清(のむら・ともきよ)さん

2024年8月14日
 孤独死や事件性のない事故死などの死因を解明する検視業務に1100件以上立ち合うなど、警察業務に貢献したとして九州管区警察局長から感謝状を受けた。「命は助けられないが亡くなった人の思いを酌んで死因を究明し、お見送りしたいと取り組んできた。身に余る光栄」と受け止める。

 検視業務は2008年に大学の先輩から引き継いだ。極限の状態で亡くなった人の死因を特定するのは、本人や機器による反応がないだけに難しいという。「現場の写真を見るなどして亡くなる前の状況や行動を想像しながら、より正確に診断しようと心がけている。きちんとやろうと思うがまだまだ」と謙遜する。

 熊本県八代市出身。熊本高から熊本大医学部へ進み、卒業後は同大学付属病院などを経て1987(昭和62)年、県立延岡病院に内科医として赴任した。

 93年に延岡市古城町に無床の内科診療所「野村クリニック」を開設し、院長に就任。高齢者を中心に地域住民らが多く訪れる。「かかりつけ医として、症状に応じて適切な医療機関を紹介することが自分の役目」。

 太極拳や合気道など武道家の動画を見るのが楽しみ。体の軸が整うだけで微動だにしなかったり、強くつかまれた腕を力も入れず簡単に振りほどいたりする技を見る度に「人間の体の不思議さに興味が湧きます」。動画を参考に自分でも試しているといい「仕事で疲れない体をつくりたい」と笑う。次男は独立し、同クリニック2階の自宅に妻、息子2人の4人暮らし。70歳。

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