ベトナムの外資系企業で会社員として働きながら、農林水産業などの日系企業同士が情報交換や交流を行うプラットホーム「ホーチミン農林水産業・食品産業の会」を立ち上げた。手弁当で事務局業務に取り組み、「現地で頑張る企業を応援したい一心。それが日本の発展にもつながっていく」と語る。
大阪市出身。東京大大学院在学中に農林水産省に入省し、経済連携協定といった政府間交渉などに従事した。2022年、幼少期を過ごしたベトナム・ホーチミンに移住。会社では、日系企業の海外進出支援を担当する。
プラットホームは、国際協力機構(JICA)などの協力を得て有志3人で今年2月に設立。これまでに3回開いた勉強・懇親会には、本県や周辺国含めて60超の企業・団体が参加するなどベトナム南部で最大規模になっており、「これまでなかった横のつながりができた意義は大きい」と自負する。
根底にあるのは、1次産業で日本経済の発展に貢献したいという思い。「これは農水省時代から変わっていない。海外から見るとやはり日本の存在感は薄い。自分にできることを続けていきたい」と力を込める。
父親が宮崎市出身という縁で、ホーチミン市県人会長の顔も持つ。昨年10月に本県であった県人会世界大会にも出席するなど、意欲的に活動する。
英語、中国語が堪能で、これまでに44カ国・地域を訪れた旅行好き。多忙な日々を送るが、「暇な時間が苦手。根っからの公僕かもしれません」と冗談っぽく笑う。33歳。