国際理解などを目的とした高校生の主張コンクール「小村寿太郎侯顕彰弁論大会」で発展途上国への医療支援の必要性を力説し、最優秀賞を獲得した。「内容や表現が素晴らしい出場者がたくさんいたので、受賞できるとは思わなかった」と驚きつつ「訴えたかった問題が多くの人に伝わりうれしい」と喜ぶ。主張の根幹に据えたのは、看護師になるという自身の幼い頃からの夢と、カンボジアのスラムなどを巡るツアーに参加した経験だ。
看護師として働く叔母の姿に憧れる一方、授業などを通じて医療体制が不十分な発展途上国の現状を知り、心を痛めていた。そんな中、国際支援団体がカンボジアの視察を行っていることを聞き、昨冬のツアーに参加。高層ビルが立ち並ぶ都市部のすぐそばにあるスラムで、自分と同世代とは思えないほどやせ細った少年少女の姿を見て、言葉を失った。弁論の後半には国連による組織的な支援を「大きな手」に見立て、看護師となった自分の「小さな手」でも支援し、組織では救いきれない子どもたちに寄り添うという決意を力強く表明した。
県代表として臨む10月の国際理解・国際協力のための高校生の主張コンクール中央大会に向けては「緊張でうまくいかなかった部分を改善し、ベストの状態で主張を伝えられれば」と抱負。その上で「カンボジアは看護師として国際貢献したいという思いを強めてくれた国。夢をかなえて力になりたい」と先を見据える。
宮崎第一高文理科2年で、競技かるた部に所属する17歳。