出身地の宮崎市が新設したスポーツ・健康分野担当の政策推進参与に就いた。「専門領域で、地元の役に立つ仕事に関われるのは非常にうれしい。しっかりと『よし、やるぞ』という気持ち」。次期市スポーツ推進計画の策定のほか、介護予防など関連施策への助言を通じ、市民の健康づくりや運動習慣の定着に取り組む。
宮崎西高、東京大教育学部卒業後、島根県雲南市の研究機関や米ハーバード大の研究員などを経て、現在は東京大大学院講師。市参与は非常勤特別職で、7月の就任以降、担当職員とはリモートで意見交換しながら、登庁時に会議や現地視察などを精力的にこなす。
専門は運動疫学。自身の第1のミッションに「世界から運動不足をなくすこと」を掲げる。雲南市時代に5年がかりで取り組んだプロジェクトでは、運動実施率を地域全体で向上させることに世界で初めて成功。研究は米国政府の身体活動に関するガイドラインにエビデンス(科学的根拠)として紹介されるなど、世界的な評価を受けている。
プロジェクトではターゲットを意識し、効果を確認しながら丁寧に事業を回すことで、成果を得ることができた。宮崎市でもこれらのノウハウを生かしながら「体を動かす習慣が、市民の生活にしっかりと入り込んでいくような取り組みをしていきたい」。
千葉県柏市で妻と8歳の長女、双子で4歳の長男、次女と5人で暮らす。小学生時代は日向市でも過ごしており「ひょっとこは今でも音楽が流れれば踊れると思う」と笑う。41歳。