「募金がいろんな人々を支え、笑顔にしていることを知ってほしい」。そんな願いを込めてペンを走らせた力作が、応募総数869点の中で最優秀作に選ばれた。
募金箱に投じた10円玉が赤い羽根となって宙に舞い、支援を必要としている人の元へと届く様子をイメージした。子どもや車いすの高齢者、盲導犬を連れた視覚障害者の自然な表情を描くのに腐心したのは「支援が届く先にいる人たちの気持ちに寄り添いながら募金してほしい」との思いがあったからだ。
宮崎市・住吉中の3年生。美術部に所属し、今回の作品は部活動の一環で取り組み、実は2年次に制作したもの。「募金箱をどう見せるか」など構想を練るのに約3週間費やし、下絵から完成までに1カ月かけた力作だが「気付いたら応募期間を過ぎていた」。1年後の応募で射止めた大きな賞の受賞の知らせは「正直信じられなかったが、喜びでいっぱい」と笑顔がはじける。
幼い頃から絵を描くのが大好きだった。中学入学後に美術部に入るのは自然な流れで、ペン画や水彩画などに打ち込んでいる。高校受験に向けて今後勉強が忙しくなるが「絵を描くことは何よりも息抜きになる」。進学後も絵は続けるつもりで「見た人が感動したり、共感したりしてもらえるような絵を描いていきたい」と前を向く。
K―POP好き。特に5人組女性グループ「ル・セラフィム」のファンで「みんなめっちゃかわいいんです」と目を輝かせる。宮崎市島之内に両親と3人で暮らす。15歳。