国内女子アマチュアサッカークラブの頂点に立った。13日のホーム最終戦は最多3479人の観客が、快挙を共に喜んだ。「すごい選手たち。スタッフやいい雰囲気をつくってくれたサポーターも含め、全員で勝ち取った優勝」。万感の思いでトロフィーを掲げた。
門川町出身の元Jリーガーは、監督3年目。練習時は率先して準備を行い、飾らない性格で選手から「いじられる」ことも。ただ過去2年と比べ、今季は重圧も大きかった。唇に発疹ができ、大事な一戦の勝利後に感極まるなど「選手には切り替えが大事と言っておきながら、考え過ぎたかな」と笑う。
宮崎日大高3年時にブラジルへ1カ月留学。選手のハングリーさに「サッカーができるのは当たり前じゃないと感じた」。卒業後アマチュアのホンダロック(現ミネベアミツミ)へ。得点王など活躍したが25歳の時、J挑戦を決意。会社を辞め退路を断ち2011年、長崎に加入した。
J2に昇格した13年、ホーム開幕戦でJ初ゴール。「チャレンジして良かった」と心から思えた。金沢や北九州をへて18年、「古里への恩返し」とテゲバジャーロ宮崎に移籍。悲願のJ3昇格を果たした21年シーズンを最後に引退した。「優勝したり昇格したりするチームには一体感が不可欠」と実感。監督業にもいかされているという。
長男響斗(おと)君(4)も「さいとうゆうまさん3点とって」などと話す”熱心なサポーター”。「年末の休みくらいは普段できない家族サービスをしてあげたい」とはにかんだ。39歳。(高橋正一郎)