今年の県大会決勝は、宮崎地区予選決勝と同じ顔合わせとなった。加納レンジャーズは磨いてきた打撃で、最大5点差をひっくり返してサヨナラ勝ちし、初優勝を手にした。「子どもたちに感謝。宮日旗はこの1年の取り組みが評価される。(優勝で)九州大会まで行けるのは夢のよう」と喜びをかみしめる。
宮崎市清武町出身。子供のころは家庭の事情で野球ができなかったという。転機は社会人となっていた20代前半。中学校の同級生で軟式野球チームをつくり、野球の世界に足を踏み入れた。
長男が加納小3年でレンジャーズに入団した際、コーチに就いた。4年間務め、1993年から3代目の監督として指揮を執る。子どもたちには「チャレンジしよう。失敗を恐れるな」と声をかける。練習で失敗をしておけば、試合で迷わずにプレーできると考えるからだ。
団員は多いときで約60人いたが、少子化などで減少。コロナ禍も逆風になった。現在は28人が加納公園のグラウンドで楽しく野球をしている。学童野球の指導者となり35年。高校球児になった元団員が「レギュラーを取れた」「取れなかった」と報告にくることも。毎年団員の顔ぶれが変わる中、「子どもたちの成長が見られるのが一番うれしい」。
孫は4人。このうち1人は今夏、高校野球の甲子園大会に出場した宮崎商高のベンチ入りメンバー。甲子園球場まで応援に行った。もう1人の孫も中学硬式野球チームで活躍している。同町加納で妻と2人暮らし。70歳。