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宮崎市消防団音楽隊の隊長を務める 有水勇一郎(ありみず・ゆういちろう)さん

2014年9月30日
 多くは消防局職員が務めている音楽隊を、消防団員で構成しているのは九州で宮崎市だけ。その隊長を務める。同市秘書課長補佐という肩書の堅さとは裏腹に、穏やかな笑顔で場を和ますムードメーカー。「音楽隊はもう一人の自分」 1998年10月に結成された同市消防団音楽隊の隊員は保育士、教師、会社員、主婦などの20~60代の市民47人。鵬翔高サッカー部優勝祝賀パレードなど、出演行事は年20回を超える。

 入隊したのは“音楽好きの血筋”から。音楽が流れる家庭で育ち、大宮中2年の文化祭ではベンチャーズのギター演奏を披露。大宮高吹奏楽部で始めたドラムは今のバンド活動に生きている。

 昼は働きながら日向学院短期大夜間部を経て、86年に入庁。市広報で隊員募集の記事を見て「市職員でもいいですか」と応募した。「消防団や防災のPRだけでなく、九州唯一のおもてなしができるのもうれしい。皆さんの支援に感謝したい」 苦労するのは仕事や家庭を持つ隊員たちの日程調整で「眠れないことも」。それでも続けるのは「演奏を聞いたお年寄りの涙や、子どもたちの目の輝きから元気をもらえるから」。隊員の8割は女性で「女性が元気だと家庭も職場も明るい。彼女たちをもっと応援したい」との思いも抱く。

 妻久美さん(47)との間に2男1女。延岡学園野球部の長男建貴さん(17)は昨年の甲子園準優勝時に応援団長を務めた。いつも笑顔の理由は「しんどくても何とかなるわと思う。楽天家かも」。同市花ケ島町。49歳。(報道部・堀口佳菜子)

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