物静かそうな外見と裏腹に、次々と企画を形にするアイデアマン。その秘策を問うと「有能な職員に恵まれている」と前置きした上で「飲んで共感できる人を探す。と言っても酒は弱い方」と屈託ない笑顔を見せた。
車社会といわれる本県で高齢者や通勤・通学者、観光客の足となるバス。バス停の在り方を考えるシンポジウムを11日にみやざきアートセンターで開こうと準備中だ。
きっかけは昨年の市景観審議会。委員から「バス停はもっといい物にできるはず」との素朴な意見が出たことが「ずっと引っ掛かっていた」。ことし4月に宮崎交通、県建築士会と市の「共感できそうな人に声を掛けて飲んで」。3者で「みやざきをつなぐ『バス停』を創る会」を結成したのは、12日後だった。
最近見つめ直しているのは故・岩切章太郎氏の哲学だ。「岩切イズムは宮崎の景観、観光のDNA。バス停を考えることはまちづくりにもつながる。市民とともに宮崎らしい、おもてなしの心あふれるものにしたい」 もともと建築好きの長野県下條村出身。名古屋工業大大学院を経て2004年に国土交通省に入省した。水環境に携わる研究、業務に携わり、12年から宮崎市役所に出向。都市整備部長として地震津波対策、小戸之橋架け替え、自転車政策、空き家対策などに取り組み、3年目を迎えた。
目標は昨年に続き青島太平洋マラソンの完走。スコットランドのアイラ島に行くほどウイスキー好きで「温泉も好き。渋すぎますかね」。まだまだ走り続ける35歳。
(報道部・堀口佳菜子)