串間市職員として30年以上培ってきた経験を生かし、市勢発展に全力を注ぐ。「国の情報を収集し庁内をまとめていく。市民の声に耳を傾け、積極的に政策立案していきたい」と、柔和な表情を引き締める。
同市南方出身。福岡の大学を卒業後、宮崎市の会社に就職。2年後「長男として親の面倒を見たい」と串間市に帰郷した。市臨時職員を経て1982(昭和57)年、28歳で市役所入り。財務、総務課長、議会事務局長などを歴任し今春退職した。
「一生懸命仕事に取り組んだ。少しゆっくりしよう」と第二の人生をスタートさせた矢先に打診され、わずか半年で副市長に就任。引き受けた理由について「市民の生活を少しでも豊かにしたいという野辺市長の熱い思いに共感した。自分、家族を育ててくれた串間に恩返ししたいという気持ちも強かった」と語る。
一市民として過ごした半年の間、「串間は衰退する一方だ」という諦めに近い声をよく聞いた。「人口減や過疎化など課題は山積しているが、前向きに活性化策に取り組むしかない。市民、行政、議会と、みんな串間を良くしたいという気持ちは同じ。市全体が一体となる雰囲気を醸成したい」と意気込む。
性格は温厚。「何でも気兼ねなく話せて、バランス感覚に優れている」と職員の信頼は厚い。晩酌を毎日欠かさず、テレビのお笑い番組を好む。休日は妻直子さん(60)と車で出掛け、温泉や道の駅巡りを楽しむ。子ども3人は独立し、直子さんと父強さん(90)と南方で暮らす。61歳。
(串間支局長・中野裕二)