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宮崎地検の検事正に就任した 小畑 勝義(こばた・かつよし)さん

2014年10月22日
 「全国的に事件数は減っているが、特異重大事件の発生はあるし、特殊詐欺やグローバル、IT化時代を反映した新しい犯罪も増えている。これらに的確、適正に対処しなければならない」。宮崎地検のトップに就き、記者会見で力強く抱負を語った。「そのためには職員一人一人が日々研さんを積み、誠実かつ積極的に執務に取り組む必要がある。長を預かった者として適切な指導に努めたい」。その語り口に、初の検事正ポストへの力みはうかがわれない。

 「ひたすら自分の正義感を貫く仕事をやってきた。検事を選んで良かった」。検事を志した原点は、司法修習生時代に感じた犯罪被害者への思いだ。「今でこそ被害者保護が叫ばれるが、当時被害者は証拠の一つにすぎない感覚。もっと目を向けなければと感じた」。被害者の声を司法に反映させられるのは検察官だけだ-。もともとは弁護士志望だったが、そんな思いで任官を決意した。

 1987(昭和62)年に大阪地検検事となって以降、被害総額が3千億円を超す巨額の詐欺事件や背任事件、凄惨(せいさん)な殺人事件など多くの捜査、公判に携わった。「印象に残る事件は数え切れない」という。

 豊富な経験を踏まえた上で、「部下の指導、育成では山本五十六・連合艦隊司令長官の『話し合い、耳を傾け承認し、任せてやらねば人は育たず』という言葉を実践したい」と前を向く。

 和歌山県出身。関西大法学部卒。趣味はゴルフで「環境のよい宮崎で大いに楽しみたい」。宮崎市の官舎に単身赴任。58歳。(報道部・佐賀信行)

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