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第48回宮日早起き野球県大会で優勝した次照光クラブ監督 井口 伸哉(いぐち・しんや)さん

2014年10月26日
 20代が主力の若いチームを率い、監督就任1年目にして県ナンバーワンの栄冠を手にした。「監督らしいことは何もしていない。ここまで選手に連れてきてもらったようなもの」。人生で初めて胴上げされ、日焼けした顔に照れ笑いを浮かべた。

 日向市出身。小学3年から野球に親しみ、日向工高ではエースとしてマウンドに立った。「3年最後の大会は初戦で延長サヨナラ負け。たいした活躍はできなかった」と笑うが、野球への思いは捨てきれなかった。高校卒業後、軟式野球部がある吉田病院(延岡市)に就職し、今も白球を追い続ける。

 全国大会での登板経験も豊富で「1点の重みを何度も痛感させられた」。今大会でも「守り勝つ野球」をモットーに、磨き上げた勝負勘を存分に発揮。選手の性格に合わせた指示や声掛けで能力を引き出し、決勝を含め3度のサヨナラ勝ちを演出した。延岡市のチームに優勝旗が渡るのは第1回大会(1966年)以来48年ぶり。「地域の仲間に『まだまだやれるぞ』とエールを送ることができた」と、二重の喜びに頬を緩ませた。

 「良き理解者」という妻・千代美さん(45)の存在も大きな励みに。「試合の準備で朝早くに起こしてしまうこともある。野球をしている姿を見せる機会が少ないので、目の前で恩返しができてよかった」と、会場に駆けつけた“勝利の女神”に感謝した。

 職場では精神科の看護師として、アルコール依存症や心の病を抱える患者らの社会復帰を後押しする。延岡市在住。39歳。(運動部・甲斐延明)

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