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第58回県畜産共進会肉豚枝肉の部でグランドチャンピオンに輝いた 西村和彦(にしむらかずひこ)さん

2014年11月7日
 かんしょの粉末を配合した飼料で育てた銘柄豚「かんしょ豚」を生産している。初の快挙に「JA宮崎経済連やミヤチクなど周囲の方々のおかげ。かんしょ豚のおいしさを少しでも多くの人に知ってもらうきっかけになれば」と、日焼けした顔をほころばせる。

 高校卒業後、19歳で就農。父の代の葉タバコ栽培中心から養豚に転換し、徐々に規模を拡大してきた。現在は親子3人で親豚90頭を飼育。繁殖から肥育まで一貫経営している。

 経済連からの打診を受け、かんしょ豚の生産を始めたのが15年前。現在、県内4農家で取り組む。仕上げ期の出荷前2カ月間、かんしょのパウダーを混ぜた飼料を与える。「豚の臭みがなくなり、脂にかんしょ特有のまろやかな甘みが出る」と味には絶対の自信を持つ。自身も好んで食べ、今も週の半分は食卓に上る。

 仕事は餌やりや豚の移動、種付け、分娩など多岐にわたり、1年365日休みはない。病気を防ぐため、豚舎の清掃、消毒にも力を注ぐ。加えて、出荷時には体重120キロあまりの豚をトラックに載せる力仕事も。そんな時、心強いのが5年前にミヤチクを退職し、家業を手伝う次男裕三さん(30)の存在だ。「休憩時間は豚のことをあれこれ話す。だいぶ任せられるようになった」。普段の厳しい表情が緩み、小さくはにかんだ。

 趣味は機械いじり。溶接、左官作業はお手の物で、豚舎は8棟とも父と2人で手作りした。小林市野尻町東麓に妻、次男と3人暮らし。「2歳の孫と遊ぶのが一番の楽しみ」と話す58歳。(小林支局・岩切康一朗)

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