経済界出身者として、9年ぶりに県教育の重要方針を決める県教委の教育委員長に就任した。「教育は社会の根幹。これからの日本を支える人材を地域とともに育成したい」と力を込める。
県工業会の人材育成分科会委員長として長年産業教育に携わってきた。働く意識を持てないまま学校や親の勧めで就職し、すぐに離職してしまう高校生が多く、雇用のミスマッチを起こさないためにも学校教育に企業が関わることの重要性を感じている。
「キャリア教育は自分の生き方を考えること。どういう生き方をするか考えることで、目的意識を強く持ち、勉強やスポーツなどへの取り組む姿勢が変わる」と訴える。
本県は岐阜県のシンクタンクによる「いい子どもが育つ都道府県ランキング」で、上位を継続する。しかし、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)では、全国平均を下回る教科区分があるなど学力に課題がある。
「学ぶことに高い意欲を示す環境をつくるためにもキャリア教育を推進したい」と意気込む。
2012年10月から県教委の教育委員となり、教育委員長は14年10月から。定例の県教育委員会をはじめ、教育関連行事に出席する機会は多いが、県民の教育行政に対する関心は低い。「多くの人と話して地域の声を聞き、現場の課題に対して共に考え、解決に取り組む」のが目標だ。
趣味は読書。午前4時に起床してから朝食を食べるまでの間に本を読むのが日課となっている。日向市富高の自宅で妻(53)と2人暮らし。52歳。(報道部・竹村麻実)