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宮日世相まんが年間最優秀賞に輝いた 鈴木 清徳(すずき・きよのり)さん

2014年12月14日
 毎回投稿するテーマの根っこにあるのは「自分が腹が立ったことや疑問に感じたこと」。受賞作は、東九州道の延岡-宮崎開通に年月がかかりすぎ、免許を返納した高齢者が残念そうに電動カートに乗る様子を描いた。自身も若い頃、よく宮崎市内から延岡に車で出掛けており「もっと早く開通していれば楽だったのに」と悔しさを込めて描き上げた。

 審査員が満場一致で選んだこの秀作は「締め切り前に、パッとひらめいただけ」。発想の陰には、普段からニュースや町の声にアンテナを張り題材を探す姿勢もある。

 初投稿は2007年。就任直後の東国原英夫前県知事が、テレビのどのチャンネルにも出ている状況を、リモコンを持ち泣く子どもの姿で表現した。何となく応募した作品だったが、いきなりの掲載。子どもの頃、漫画雑誌に投稿し名前が載った経験はあったが、「うれしくて毎月送るようになった」と習慣化した。

 悲願の最優秀賞だった。「天国のオヤジにささげる賞」。受賞スピーチでは涙した。昨年1月、81歳で亡くなった父清己さんの楽しみは、紙面に掲載された鈴木さんの作品をスクラップしてとじること。「生きてるうちに賞を取って報告したかった」と体を震わせて語った。

 子ども時代から好きな漫画は、藤子不二雄の「オバケのQ太郎」。一こま一こま感情移入してしまうような味があるという。国富町森永で妻と娘2人、孫1人と暮らす。趣味は学生時代から続けるバスケットボールで、町内のチームで若者と汗を流している。59歳。(報道部・前田隆明)

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