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きのこ料理コンクール全国大会で最優秀賞を受賞した 斎藤喜代子(さいとうきよこ)さん

2013年3月29日
 料理で人を笑顔にしたいー。長年の夢をかなえるため昨春、54歳で宮崎市の宮崎調理製菓専門学校に入学。そこで技術を磨き、きのこ料理コンクール全国大会で応募2132点の頂点に輝いた。

 元々は歯科衛生士。20歳のころから30年以上勤めたが、「大好きな料理を生かして人の役に立ちたい」との夢を諦めきれず、子ども2人の就職が決まると仕事を辞めた。

 学生生活はわが子よりも年下の生徒たちに囲まれる毎日。しかし、持ち前の明るさで積極的にコミュニケーションを取った。授業については「具材の切り方やだしの取り方など、基本中の基本を徹底的に学べた」と充実感たっぷりに語る。

 受賞作品の「みやざき椎茸・どんこ巻き」はその基本を大切にしながら作った。シイタケの戻し汁とだし汁で丁寧に煮込んだシイタケとニンジンを豚肉で巻いたシンプルな一品で、料理評論家としてテレビなどで活躍している服部幸應審査委員長からは「おふくろの味を思い出すような料理で絶品だ」と評価された。

 「学校で学んだ知識や技術、これまでの自分の経験。すべてをぶつけた一品だった。プロに認められてうれしい」。照れ笑いを浮かべ、喜びを語った。

 4月からは国富町内の養護老人施設で念願だった調理師になる。「入所者に少しでもおいしいと思ってもらえるよう工夫しながら仕事に取り組みたい」と目を輝かせる。

 家の庭に20種類を超える花を植え、休日はその世話に励む。同町木脇で夫嘉久さん(54)と2人暮らし。55歳。(報道部・村永哲哉)

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