ホーム ひと

宮崎公立大学長に就任した 林 弘子(はやしひろこ)さん

2013年4月14日
 教職員によるセクハラが相次いだ宮崎公立大。防止対策の強化に向け、セクハラ対策に実績のある人材として白羽の矢が立った。「セクハラは許さないという基本ポリシーを強く出していく」と力強い視線で語る。

 専門は労働法で弁護士資格を持つ。これまでセクハラ労働事件に多く関わり、1992年の福岡セクハラ裁判では弁護団の鑑定意見書を提出。会社の使用者責任を初めて認めた裁判として注目された。「性がある限り撲滅はできない。だからこそ起こさせないための最善の努力が必要」と、教員や学生に対する研修など対策充実を見据える。

 九州大大学院を経て、米国チュレーン大ロースクールを卒業。福岡大などで教壇に立ちながら、米イエール大などで上級研究員や客員教授を歴任した。「国際化を自分で切り開いてきた」という自負がある。宮崎公立大の留学制度について「百聞は一見にしかず。生徒には語学習得のため海外へ挑戦してほしい」。自身の人脈を生かし、米国の大学と交換留学の連携を深める考えだ。

 就任直後の入学式では「自分で自分の船のかじをとる人間になって」と説いた。28年間の教授生活で学生たちに伝えてきた言葉だ。「自ら好奇心を持ち、自ら行動する大切さを伝えていきたい」 労働法の研究書や翻訳などの著書があり「執筆のために徹夜もよくした」。ワインを好み、成人を迎えたゼミ生との交流会の乾杯は必ずワインだった。「卒業生には弁護士もいるけれど、ソムリエも輩出している」と笑う。福岡県出身。70歳。(報道部・小谷実)

このほかの記事

過去の記事(月別)