県内中学150校の体育教育を統括する中体連トップに立った。信条は「初志貫徹」。「守るべきは守り、変革する勇気も必要。責任は重いが、全力で駆け抜けたい」と、178センチのがっしりとした体を揺らし、よどみなく決意を語った。
高千穂町出身。上野中、高千穂高とバレーボールに没頭し、当時指導を受けた「熱血先生」たちにあこがれ教師を志した。1977年(昭和52年)春に教諭採用され、赤江中へ。バレー部監督として、同校や木花中を九州大会常連の強豪校に鍛え上げた。
指導の基本は礼儀作法の徹底。そして「平等にしかり、ほめること。素直さを育てれば子どもは自然に成長する」。
昨年度、県内で運動部活動に所属した生徒は2万3252人。少子化の影響で、この10年間に約7千人も減少した。部活動存続の危機にある学校もあり、中学校体育を取り巻く環境は厳しい。
「生徒たちの楽しみを奪わなくて済む方法を、中体連が先頭に立って知恵を絞りたい」。改善策を模索するとともに、「学校運営と同じで人づくりが大切」と、指導者も含めた人材の育成に力を入れる方針だ。
妻の喜美さん(62)=旧姓脇田代=は、モントリオール五輪に出場した元バスケットボール女子日本代表の主将。2人の息子は中学からバレーを始めた。長男の祐之さん(34)は元日本代表で、現在もプレミアリーグのJTでプレー。「こんなに息の長い選手になるとは。努力のたまものでしょう」と目を細める。宮崎市高岡町の自宅で喜美さんと2人暮らし。大淀中校長の59歳。
(運動部・甲斐延明)