飼料や燃油の高騰、高齢化…。農業を取り巻く環境が厳しさを増す中、できることは担い手不足の解決だと考える。「後継者世代の自分たちが結束し、次世代を担う子どもたちに農業の楽しさを伝えていきたい」。力強い口調で抱負を語る。
2011年から副委員長を1期務め、県内の若手農家約1800人を束ねる立場となった。「就農1年目から中堅まで全員の意見を聞けるのが理想」。持ち前の明るい笑顔で、前委員長がつくり上げた風通しの良い雰囲気を引き継いでいく。
子どもたちへの食育活動と合わせ、力を入れるのが環太平洋連携協定(TPP)交渉参加への反対運動。「情報もないまま事態だけが進んでいる」と笑顔を消し、怒りをあらわにする。
TPPは農業だけでなく、農村の景観も壊してしまう。「みんなが愛する美しい田畑が並ぶ古里の風景がなくならないよう、地方の声をしっかり国に届けていきたい」と、先頭に立って反対を訴えていく覚悟だ。
福岡の大学を卒業後、帰郷し22歳で就農。09年からはJA延岡の青年部長を4年務めた。現在は延岡市内で、タマネギやインゲン豆など6種類の作物を生産する。「手間暇かけて育てた作物を収穫する時は、毎回農業をやって良かったと思う」とやりがいを感じている。
趣味は自動車レースのF1のテレビ観戦。海外の選手名も知り尽くし、暇があればテレビやインターネットなどでレースの結果をチェックする。延岡市南一ケ丘5丁目で妻と長男、妻の両親と5人暮らし。36歳。
(報道部・村永哲哉)