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日南市のテナントミックスサポートマネージャーに選ばれた 木藤亮太(きとう・りょうた)さん

2013年6月18日
 商店街の閉まったシャッターを1枚でも多く開けたい―。寂れゆく日南市・油津地区の商店街で開かれた公開プレゼンテーション。約200人の市民の前で力強く語った。

 市長給与を超す月額90万円という委託料が話題となった同市のテナントミックスサポートマネージャー。市中心市街地活性化基本計画に沿い、最長4年間、商店街再生を担う。ノウハウや知識を持つ専門家など国内外の333人から選ばれた。

 2次選考のプレゼンで映画館や情報拠点施設の新設などを提案。「現状把握」「店舗誘致」など年ごとの計画を具体的に描き「戦略性」を訴えた。そして熱意は、審査委員の全会一致を引き出した。

 大学時代は、造園や緑地設計といったランドスケープデザインを学んだ。風景や環境を生かす設計で、街づくりと関係する。大学院を経て福岡県のコンサル会社に勤め、「かなたけの郷公園」(福岡市)づくり、蕨野の棚田保存(佐賀県唐津市)などに携わった。

 そこで、住民と対話を重ね、互いが納得できる案を練ることで住民意識を高め、自立できる街づくりにつながると学ぶ。

 現地に住み、市民目線で街づくりに直接関わりたいと思い、応募を決めた。覚悟を示すため、取締役まで務めた会社を辞め退路も断って臨んだ。90万円については「店舗誘致(20店)などハードルは高い。責任と期待の大きさ」と気を引き締める。

 就任は7月1日。ビデオ編集が好きで「日南での記録を形に残せたら」。妻、子ども3人は、仕事が軌道に乗れば福岡県那珂川町から呼ぶ。38歳。(日南支社・三輪誠)

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