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全漁連の代表理事副会長に就任した県漁連会長の 丸山英満(まるやまひでみつ)さん

2013年7月20日
 歯に衣(きぬ)着せぬ物言いは、厳しい経営環境にある「仲間」を思うからこそだ。そんな硬骨漢が、全国の漁協を束ねる全国漁業協同組合連合会のナンバー2に就任。漁業経営の経験と国とのパイプを総動員し「現場の深刻な声を届ける」と意気込む。

 2004年から約9年間、全漁連の石油(現購買)部会長を務め、全国的な燃油対策を主導。燃油高騰を受け、全国の漁業者が一斉休漁に踏み切った08年には、国との交渉に奔走した。高止まりが続く現状に「操業できる限界を超えている。将来の話はしない。今の救済を」と訴える。

 日南市内の中学校を卒業後、兄2人と友人でカツオ一本釣り漁業を始め、28歳で独立。「若い船主は珍しかったが、怖いものはなかった。人ができて、自分ができないものはないという執念だった」と生来の負けん気の強さをうかがわせる。

 転機は04年。所有船に乗っていた長男を事故で、妻を病気で続けて亡くし、1年半後に漁業から撤退。ただ、「自分は漁師以外の何者でもない。これまで応援してくれた仲間のために働く」と漁業者のために陸(おか)で汗を流す決意をする。

 「顔が広く、政治家や役人の信頼も厚い」と県漁業協同組合連合会幹部が言うように、国とのパイプも太い。「風雨や荒波に耐えて仕事に励む漁業者の信頼を得られるような全漁連に変える。被災地の水産業復興も待ったなし」と強調した。

 日南市南郷町の外浦漁協組合長、県漁連会長。同町の自宅に娘と2人暮らし。同町出身。69歳。

 
(日南支社・奈須貴芳)

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