理事長に就任して初めて迎える全国高校総体(インターハイ)の開幕が目前に迫る。中学時代からバスケットボールに没頭し、都城商高では女子バスケ部を11年間指揮。名門・小林高にかなわず全国の舞台は一度も立てなかったが、「駄目だと思ったら終わり。結果を気にせず一瞬一瞬に全力を尽くして」と選手たちにアドバイスする。
就任から4カ月。県内の運動部活動指導者のまとめ役として奔走している。「部活動は生徒の人生を左右するもの。それを支える立場になり、大きな責任と重圧を感じている」。柔和でよく日に焼けた顔を一変させ、言葉に力を込める。
生徒や教諭の数が減少する中、競技力の維持向上が課題。「子どものスポーツ嫌いを防ぐと同時に、指導者の確保が必要」と解決策を探る。柔軟に各方面の意見を取り入れようと、「いろいろな声に耳を傾けられる組織づくり」を目指す。
187センチの長身。宮崎大宮高では2、3年生の時に国体少年男子のメンバーに選ばれた。筑波大卒業後、1989年に中学校の保健体育教諭になり、92年から都城商高へ。県高校体育連盟事務局のある宮崎南高に来て5年目。ひたむきに汗を流す指導者と選手を見ると、自分の姿と重なり今でも胸が騒ぐ。28日から北部九州4県で始まるインターハイでは、各競技会場を回って選手らを激励する予定だ。
休日の楽しみは、昨年9月から家族に加わった愛犬「ゴジラ」との散歩。宮崎市東大宮の自宅に妻(47)、2女1男の5人で暮らす。46歳。(運動部・甲斐延明)