6月下旬に就任。薬物や銃器の密輸防止、関税等の徴収、貿易の円滑化といった税関の業務を「1人でも多くの人に正しく理解してもらえるようPRしていきたい」と意気込む。
「何が何でも水際で阻止する」と力を込めるのは、国民の安全と安心を脅かす薬物や銃器などの密輸。宮崎が狙われたという事例やうわさはないが、細島、油津港と宮崎空港に約20人配置している職員と共に「間口を広く、情報のアンテナを高くする」。あらゆる方法で検査をくぐり抜けようとする犯人を逃さないため、データ分析の強化を重要視している。「成田空港など大きな港と地方の港では違う部分がある。土地に合った取り締まりを考えたい」と、長年携わった取り締まりで培ったノウハウを生かす意向だ。
意欲を燃やしているのが貿易の円滑化。初めて就任した九州は「製造業や農水産業が盛んで、アジアのマーケットに近く競争力がある。関税局と協力し、企業のニーズを聴きながら手続きの簡素化や改善に努めて貿易を円滑、活発化させたい」と話す。
出身はサクランボ「佐藤錦」発祥地の山形県東根市で「宮崎には1度、観光で来た。街路樹のソテツやパームツリーなど自然と街並みがきれい」。千葉県八千代市に妻と娘3人を残して2度目の単身赴任だが、福岡県北九州市での暮らしは「サバなど青魚を刺身で食べられることが関東にはなく新鮮。食べ物がおいしくてなかなか良い」。ジョギングに温泉巡り、読書を楽しむ。58歳。(報道部・矢野太輝)