◎…太平洋戦争中、海軍の飛行予科練習生だった宮崎市下原町、無職杉田敏治さん(86)は空き缶製の単葉機や複葉機の模型=写真=を20年以上前から自作している。これまで50機以上制作した。
◎…全長約30~50センチで、1機に使う缶は約30個。翼や車輪など全部品をペンチ一つで作り上げ、3日ほどで完成させる。プロペラも回せる精巧さが人気を集め、孫や近所の人に40機ほど譲った。
◎…制作中は「飛行機に夢中だった10代を思い出す」と杉田さん。訓練中に終戦を迎えたという。「模型を眺めるたびに、空を飛んでいる気分になれる」と、笑顔は少年に戻っていた。