「窓」面のシリーズ自分史は29日付から、元警察医で宮崎市・大西医院元院長の大西雄二(おおにし・ゆうじ)さん(77)=同市=の「二つの道―医学と文学で」を掲載します。
大西さんは1947(昭和22)年、宮崎市高岡町生まれ。早稲田大文学部、秋田大医学部の二つの大学を卒業後、宮崎医科大医学部(現宮崎大医学部)に入局。県立宮崎病院内科医を経て、同市黒迫町(現中央通)に父が開業した大西医院で86(同61)年から医師を務めています。
医院経営の傍ら、県医師会、宮崎市郡医師会の理事を務めたほか、変死体の検死などに当たる警察医や産業医、社会保険審査員にも励み、2017年に厚生労働大臣、18年には警察庁長官より功績を認められそれぞれ表彰を受けました。自らの活動を記録した著書も執筆し、「宮崎県の感染症―その歴史と風土」は09年の第19回宮日出版文化賞を受賞。短歌にも造詣が深く、14年度の宮日文芸賞(歌壇賞)に選ばれています。
連載は、自然豊かな高岡町で過ごした幼少期から、全共闘運動全盛期に送った学生時代の心の葛藤を振り返ります。その後の医師、警察医活動では、現場から見えてきた現代社会のひずみを描写するとともに、地域医療に携わるプライマリケア医の取り組みなども紹介。18年1月の脳梗塞により発症した失語症との闘いについても触れます。
水光正仁さんの「人生、前へ前へ」は本日付で終了します。