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【SNS特報班】敬老祝い金 削減広がる

2023年6月1日
 宮崎市が80歳への敬老祝い金を廃止したと聞いた。経緯や削減したお金の使い道について、住民に説明が必要ではないか。宮崎市・男性(80)

高齢化で自治体負担増

 敬老祝い金について質問を寄せた男性は数年前、入所していた施設の職員から「80歳になると祝い金がもらえる」と聞き、楽しみにしていた。誕生日を過ぎてから市役所に連絡してみると、廃止するかを議会に諮ると知らされた。

 宮崎市福祉総務課によると、2022年度までは80歳に1万円、88歳に2万円を支給していた。高齢化で対象者が増え、財政負担が増したことなどから、市議会3月定例会に条例の改正案を提案。全会一致で可決され、80歳への祝い金は廃止、88歳は1万円に減らすことが決まった。

 毎年9月15日時点の満年齢で支給してきたため、1942(昭和17)年9月17日以降生まれの人は支給の対象外となる。男性は「少子高齢化に伴う見直しは理解できるが、なぜ今削減し、減らした分は何に使うのか。周知や説明をした上で決めるべきではないか」と投げかける。

 祝い金を支給しているのは宮崎市だけではない。宮崎日日新聞社が県内26市町村に取材すると、全市町村が長寿者に祝い金を支給。88歳や100歳など節目を迎えた人への支給が多い。現金や商品券などで、額は2、3千円から10万円以上と市町村で異なる。

 対象年齢は木城町と諸塚村の75歳以上が最も若く、宮崎市を除く8市と三股町は、最高齢者にも支給している。最高額は西米良村の100歳で30万円だった。

 昭和30年代ごろから実施している自治体もあるが、高齢化率の上昇に伴い、削減の動きも進んでいることが分かった。過去10年以内に都城、日南、小林市などの8市、三股、新富など6町で一部廃止や減額が決まり、それ以前に削減した自治体もあった。

 一方、椎葉村と日之影町は増額など支給を拡充する方向で見直しを実施。自治体で対応は分かれている。

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