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【SNS特報班】神社参拝、並ぶべき? 正しいお参りの仕方は

2023年12月31日
 毎月1日、神社に参拝している。以前は他の人がお参りしていても、かまわず横に並んで参拝していたと思うが、最近は縦一列に並んで前の人が参拝を済ませるまで次の人は神前に進まないようだ。正しいお参りの仕方があるのか。【宮崎市、パート従業員女性(55)】

 宮崎市吉村町の女性(55)は数年前、長男の就職祈願のため近くの神社に約半年間毎日通った。長男は晴れて合格し、和田さんはそれから毎月1日のお参りを欠かさず続けている。神前では住所、家族の名前、お礼や近況報告などを唱えるため、「後ろに人が並んでいると焦ってしまう」と悩んでいた。新年が間近に迫るこの時季に合わせて、疑問を投稿した。



「足運ぶだけで御利益」 真正面以外も問題なし

 年間約57万人が訪れる宮崎市の宮崎神宮(本部雅裕宮司)では、本殿の真正面でお参りしようと、前の人が終わるのを待つ人もいる。ただ同神宮祭儀課長の日高憲司禰宜(ねぎ)は、「神社に足を運ぶこと自体が御利益がある」として、前の人を待たずに「真正面以外で参拝しても問題ない」と見解を示す。

 日高禰宜は「本殿の真正面は神様に一番近い場所であり、自分の存在を示し、『思いを伝えたい』という心情があるのかもしれない。神様に近い場所で祈願したいと思う人が(結果的に)列をつくっているのでは」と推察する。

 同神宮の拝礼は、全国の神社で一般的な「二礼二拍手一礼」が基本。拝礼は腰を90度に折る「拝」を2回行い、右指先を少し下にずらしたまま音を立てて柏手(拍手)を2回打ち、両手を合わせて神前に祈りを込め、最後にもう一度拝を行うのが作法だ。

 新型コロナウイルスの5類移行で県民の行動制限はほぼなくなったものの、県内の神社には手水舎のひしゃくを撤去したり、社殿に下げた鈴を外したりと、コロナ禍で生活の一部になった「密」になることを避けながら参拝者を迎える工夫を続ける所も少なくない。

 正月三が日は約26万人もの初詣客が訪れる同神宮の日高禰宜は、「参拝は1年や人生の節目を無事に迎えられたことに感謝し、次に向けて気持ちを改める機会。安心してお参りしてもらえるようしっかりと準備を進めたい」と話している。

【写真】神前に向かって「二礼二拍手一礼」する宮崎神宮の日高憲司禰宜=宮崎市・宮崎神宮

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